無料
エロ
動画

秋の夜長


…の夜なべ。耐久1ウィークレース走行中だ。

こんな時に欲しい一行メールは


お疲れ ではなく

ガンバレ でもなく

まして ご自愛ください などではない


ハメたい とか

汚したい でもいいし

壊したい も脳にビリビリ響くだろう


集中力がないのは昔からだけど、粘りも利かなくなってきたなぁ

さて、まだまだガンバルガンバレルv


お腹が鳴った…


ジャブ



だって

空けておくから来てよ

なんてレスくれるんだもん。
病院の予約なんて簡単に変更できるけど、男に会いに行きたいから予定通りに出かける。

そういえば、丸々1か月会ってなかった。
その間オナニーは1回だけ。しかもベッドの中で半分眠りに落ちながら。
なにしろそれどころじゃなかったし、今もないし。

昭和な喫茶店で小一時間。
たいしたこと話すワケじゃないけど、ピロートークの合間に私がギャランドゥを引っ張ると怒るに怒れず困った顔する男が目の前に座っているのがちと嬉しい。

仕事の電話が立て続けに入ってきて、あー、今日は納期だったのね、無理してくれたのね、と知った。
本当はそれなりの役職なのに、現場が好きでそんな顔をちっとも見せない。
普通だったら「部下」って言うところを「後輩」って呼ぶ念の入れよう。
そういうところ、共感できる。

別れ際、並んで歩きながら腕にジャブをお見舞いしておいた。
楽しかったよ^^ 早くXXXしようね♪の合図。


ファースト・コンタクト


Hさんがことあるごとに


あむちゃん、最初の頃は『……』って言っていたよね〜w


って私の変わりっぷりを笑うので、
Hさんへのツッコミネタを探そうと、過去のメールを読み返してみた。

わずか1年ちょっと前のことなのに「私達、こんなこと書いていたんだ〜」って笑えた。
Hさんは実物はメールの第一印象とはかなりかけ離れたダメ男だったし。


*2008年8月某日

XXさん、はじめまして。
メッセージを拝見しました。
とてもハッキリとして具体的な表現が印象的ですね。
中でも「道具に依存しない、血の通った」という言葉にシンパシーを覚えご連絡を差し上げました。
僕のSM観としては、相手への愛情を持ち、肉体だけでなく脳で感じるものだと考えています。そのために大切なのは効果的な言葉選びやボディタッチなどで、スイッチを入れ、異空間をつくることがSの努めかと思います。
あとは非常に主観的なのですが、そうして作り上げた舞台の上で感じてくれる女性を見ることによって、自分も興奮してくる…という嗜好があるようです。
一度のメールでは伝えきれるものでもありません。
よろしかったらお話してみませんか?
よろしくお願いします。



*2008年8月某日

YYYYYY様
はじめまして、XXです。
直球プロフにもかかわらず、メッセージありがとうございます。

私は、若干ながらSMの経験があります。
YYYYYYさんは、愛奴、性奴隷のキーワードにチェックを付けていらっしゃるようですが、これらにこだわりをお持ちですか?

私は、自分の性的ポテンシャルを引き出したいという欲求からSM方面に歩いてきましたが、真性マゾヒストというわけではありません。
また、男性に尽くすことは本能的に大好きですが、依存心がないため、隷属することに喜びを感じるタイプでもないことに気がつきました。
そんな理由から現在は、対等なパートナーを求めるに至っています。
そのため------に集まる男性方の嗜好とはちょっと合わないかもしれないと思いつつ登録させていただきました。
とはいっても、YYYYYYさんが書いていらっしゃるように「相手への愛情を持ち、肉体だけでなく脳で感じるもの」というSM観には共感しておりますし、官能性を高める手段としてのSMには已然、惹かれています。
男性方の中には、道具や肉体的な責めで女のスイッチが入ると思ってらっしゃる場合もあるようですが、実際は、精神的な作用の方が遙かに大きいと感じています。

YYYYYYさんは、これまでパートナーさんとプレイの内容について、事前、あるいは事後に話合われることはありましたか?
私はあまりそういう機会がなくて、これからはそうしたことも話し合いつつ、新しいことに挑戦していきたいと、漠然ながら思っています。
(最初にプランの全てを知ってしまうのもおもしろくないのですが^^;)
とりわけ事後にお互いの感じたことを話すことで、次の舞台、新しい冒険も見えてくるような気がします。

YYYYYYさんは「経験豊富」とのことですが、どんな経験をなさっていらしたのでしょうか。
よろしかったら少しだけでも教えてください^^



某SM掲示板に出した私のプロフを見てHさんがくれたメールは、当たり障りがなさ過ぎて正直に言ってあまり眼を引かなかった。
だけど、私的NG項目にまったく引っ掛からなかったのでスルーする理由もなく、その気なしなコピペ・レスを返した。
男性のコピペメールは激しくNG出すくせに、自分の初回レスは他の人へのメールのアレンジだったりしてw
なのに、Hさんはよく喰いついてきてくれたものだわ。
いかにも生まれつきの狩猟民族らしいw


*2008年8月某日

XXさん、お返事ありがとうございます。

今日は凄まじい暑さでしたね。
でもXXさんのメールには夏バテも寄せ付けない元気さを感じますね。

早速ですがご質問のお答えをします。
まず愛奴、性奴隷に関してはこだわりはありません。キーワードに上げてあるものは自分のキャパの中で受け入れられるものというニュアンスです。
僕が女性に望むものはそ性に対する羞恥心と罪悪感なのです。それらを煽ることによって悦んでくれる感じてくれることに興奮を覚えます。
ですから拘束や玩具も好きですが、あくまで演出のための小道具だし、求めるものがリンクすることが大切という考えなのです。

今までパートナーとの間で、事前に話すということは大まかにはありますが、大体自分の中で決めていました。女性に具体的な心の準備をしてもらうよりもハプニング的な要素があった方が楽しいと思うんです。それが外れることもあったのかもしれませんが、こんな体験初めてと感じてもらうことが嬉しいんです。でも事前にアイデアを出し合ってリアルに経験してというのも興味はありますよ。

あと、僕の「経験豊富」についてはM度の薄い〜濃い女性、様々なタイプとご縁があったということです。具体的なプレイ内容に興味があるのでした追々お話できたらと思いますが、ピンポイントな質問だとお答えしやすいかなと思います。

ちなみにXXさんはご自分のM性を感じたのはいつ頃で、どんなことがきっかけだったのですか?



*2008年8月某日
YYYYYY様

こんにちは。
今日は更に凄まじい暑さでしたね〜。

私のメール(プロフもかな)は元気いっぱいというより大抵の男性はM女のくせに攻撃的に感じられるかもしれませんね(苦笑)。
言葉を操って男性に気に入っていただけるようなお返事を書くのは簡単です。
だけど、本音をお伝えした方がYYYYYYさんもご自分の嗜好に合った女かどうか判断しやすいですよね。

パートナーさんと話し合われるかお尋ねしたのも、常にそうして欲しいと思っているわけではなく(おっしゃるとおりハプニング要素があるからこそ反動も強まります)、お相手の方とどんなコミュニケーションを取っていらしたのか、参考にさせていただきたかったからです。
また、私が意見を伝える機会があるのかを知りたかったからです。

私は複雑で面倒な女です。
冷静な時は、どんなに恥ずかしい姿や行為でも羞恥を感じません。
予想外だったり展開が読めなくなると、あるいは支配されていることを体で感じると、羞恥とその先のスイッチが入るような気がします。
残念ながら、表面的なお付き合いしかできませんと、私の羞恥のスイッチの在処を探り当てられないと思います。
これは私自身、とても悲しいことです。

-----中略------

私が自分のM性を強く意識するのは、男性の声や眼、空気に支配されていると感じる瞬間です。
そんな時、私は肉のおもちゃになりたい。
SMへの漠然とした好奇心が形になりだしたのは3、4年前。
当時お付き合いしていたお相手の、S性を目の当たりにした時です。いつもは優しく荒々しいことを決してしない人でしたが、ギラギラとした眼に犯された時、かつてない屈服感と血の逆流するような興奮を感じたのが初めてです。

先ほど面倒な女と書きましたが、今までお付き合いさせていただいた男性にとっては「便利で都合のいい女」だったと思います。
日常生活を過剰に詮索しない、束縛しない、執着しない関係が好きです。
内面がウェット過ぎるので、表面はサラッとしている(し過ぎている?)のがアピールポイントです。

YYYYYYさんはいつ頃から意識されるようになってきたのでしょう?



*2008年8月某日

XXさん、こんばんは。
ホントに深夜まで暑いです。。。
エアコンはそんなに好きじゃないんですが、無ければ死にますね。

う〜ん、攻撃的というか異質ではありますよね。自分から具体的な提案をしたり意思というものを感じるんです。決めごとを人にまかせて、不満だけ言う…みたいなイメージがないもので。

人間心理というのは誰でも複雑なもので、スイッチのお話だって逆に分かりにくいから「俺が探し当てる」というのは得意分野です(ウソ)。本当は分析したりするのが好きなだけです。自分の中では心理的な背景に興味を持ってこそのSMという考え方があるんです。自分の推測が当たって、相手を理解していくことが醍醐味ですね。

現在の推測ですがXXさんは性に対して罪悪感を持っていらっしゃるのでは?と思っています。だから、そのツボを押さえると「いけない私に罰を与えて下さい」という気持ちに陥るとか…見当はずれでもご容赦を。

>私が自分のM性を強く意識するのは、男性の声や眼、空気に支配されていると感じる瞬間です。
当時お付き合いしていたお相手の、S性を目の当たりにした時です。いつもは優しく荒々しいことを決してしない人でしたが、ギラギラとした眼に犯された時、かつてない屈服感と血の逆流するような興奮を感じたのが初めてです。

これは僕じゃないか?っていうくらいシンクロできます。XXさんは女性目線からの感覚で書かれたと思いますが、僕自身リアルに思うのは空気作りの大切さで、要はその世界に誘うことなんです。さらに普段は穏やかでクールな印象を持たれやすいので、もしかしたら、その男性のアプローチの仕方と似ているかもしれませんね。

僕がSを自覚したのは20歳くらいの頃ですが、-----中略-----という願望に駆られたんです。そこで空気作りと言葉の誘導って面白いなと興味を持ち始めたのです。逆に自分の裁量で空気を支配できる相手となら充実した時間が過ごせるという自信にもなりました。

>日常生活を過剰に詮索しない、束縛しない、執着しない関係が好きです。内面がウェット過ぎるので、表面はサラッとしている

この部分はXXさん自身が僕のスタンスに似ています。でもどこかで無理というか我慢も必要だったりして辛い時もありますよね?



*2008年8月某日

YYYYYY様

こんにちは^^
週末は何かとバタバタしていて返信が送れてしまいごめんなさい。

実際は、というより今までは、自分からあれこれ希望を言ったり提案する方ではありません。
相手の希望をできる限り無条件に受け入れたいというのが私のスタンスだからです。
ただ、経験から、私が何も言わないので、望まない方向に進んでいってしまったり、私自身を誤解されることもあるので、そういう不本意な流れを断ち切りたいと考えていました。
先日のメールの中にはそのような意図があったことをお汲み取りくださると嬉しいです。

私は今までYYYYYYさんのように心理面から入られる方と、ご縁がありませんでした。
それがどのような作業でどんな作用をもたらすのか、期待半分怖さ半分です。

YYYYYYさんのお若い頃のエピソード、興味深く読ませていただきました。
ありがとうございます。

>でもどこかで無理というか我慢も必要だったりして辛い時もありますよね?

そうかもしれませんね。
私は自分を押し殺すのが得意ですし、我慢強い方だと思います。そんな自分も大好きだけど、本当は我慢しない方がいいのかしらん。
YYYYYYさんは辛いとお感じの時もあるのでしょうか。



*2008年8月某日

こんばんは。
いえいえ、返信遅れるのはご事情を鑑みておりますので大丈夫です。
でもご縁があって、こうして直メールでやりとりも出来るようになったのだから、もし辞退の際は相手に気持ちを伝えることをお互いの約束にしませんか?

だんだんと、XXさんの気持ちとかキャラクターとかが見えつつあります。
SMって性欲の発散もありますが、現実逃避もあると思うんです。人はどこかで現実逃避している部分があって、それが酒である人もいればギャンブルである人もいるし、セックスである人もいるわけです。
だからこそXXさんの望む方向性を求めるという気持ちは理解できると思いますし、最初の意思の主張も納得しました。

僕の考え方はSMって心理的な素養が不可欠なんです。育ってきた背景とか目覚めたきっかけが分からないと相手が何を求めているのかが分からないから、M女性に対して不本意な思いをさせてしまうのだと思います。
やっぱり相手があって成り立つ行為だから、相手の気持ちを思いやる優しさは絶対に必要ですよね。
ただ、そこまでやっても合わない相手だったらあきらめるというのが僕のスタンスです。

>そうかもしれませんね。
>私は自分を押し殺すのが得意ですし、我慢強い方だと思います。そんな自分も大好きだけど、本当は我慢しない方がい
>のかしらん。
>YYYYYYさんは辛いとお感じの時もあるのでしょうか。

それって性格だからXXさんは我慢してしまうだろうなって思います。その度合いがバランスよくなればそれがベストかと思います。
それは僕も辛い事はあるけれども、でもそれを越えて恋愛もしたいし、性癖もオープンにしたいと思っていますよ。



*2008年8月某日

YYYYYY様

こんにちは^^
暑い日が続いていますね。

>でもご縁があって、こうして直メールでやりとりも出来るようになったのだから、もし辞退の際は相手に気持ちを伝えることをお互いの約束にしませんか?

はい。そうしましょう。

YYYYYYさんは、

>だんだんと、XXさんの気持ちとかキャラクターとかが見えつつあります。

とのことですが、私はYYYYYYさんの嗜好に合いそうでしょうか。

私、今までいろんなことをいたしてきましたが、例えば裸や性器を晒したりするよりも、もっと一番恥ずかしいのは、自分の脳ミソの中身だと思っています。
その中には私の生い立ちもありますし、言葉にならない願望や欲望、自意識、本音、そういったものだったりするのかと思います。
こんなお話も、YYYYYYさんの分析の材料になるのかしらん。
だけど、YYYYYYさんは私のカウンセラーじゃないのに、何をどこまでお話しすればいいのかよくわかりません^^;

相手あってこそのSM、YYYYYYさんの性癖と私の性癖が合えば嬉しいです。

ご質問があれば何なりとお聞きください^^



あらら、私、段々その気になっちゃってるじゃん^^;

思えば最初の半年、北風Hさんは私を脱がす工夫を色々してくれた。
次の半年はうっかり自分から脱ぎ出す私を煽ってくれた。
ところがかなり全裸になっちゃった今、気のせいか放置されているような気がする?
月単位の仕事しているHさんへ、余裕があるはずの谷の時期にメールしても、即レスしてくれるけど、なんだか内容がそっけないんだもの。

新しい彼女ができたから、って理由はまず有り得ない。余裕で二股股掛けられる人だし、仮にそうだとしたら、むしろ私へのフォローが手厚くなるタイプだと踏んでいるw
一番可能性が高いのは、私が落ちたと思っているから手を抜いている?
なんて思っていたら、ルーチンとは別の仕事が増えて日々山脈越えの激務らしい。

なーんだ、家に帰れないほど忙しいなら先にそう言ってよぉ。
相変わらず「忙しい」って言えない男なんだわ。
「次の手」打とうかと思って真剣に戦略を考えちゃったじゃん。

私ってば忙しい時ほど、つまらない思考回路しちゃう。
しかもこんな長文記事、コピペしちゃうし^^;
仕事しろよ、私。


怪しいw



今、新しいプロジェクトの立ち上げをお手伝いさせていただいている。
各方面とコンセンサスを取っている最中なので、会議がやたらと多い。
クライアントの中には実働部隊ではないけど役職上、出席なさっている方も。
その一人、K部長、頻繁に携帯を弄っている。

以前ほど会議中の携帯操作に眼を三角にする人は多くないし、私もスケジュール管理は携帯で済ませているので必要に応じて開くこともあるから、まぁ、なにかチェックしているんだろうな、程度の認識だった。

ところが先日は外部のお偉いさんも臨席した夜間の会議。
K部長の10分おきに携帯がブルブルいっている。
普通の企業は仕事を上がっている時間だ。
第一、そんな頻繁に携帯メールで仕事のやり取りをするような業種じゃないはず。

で、ピンと来たw
そんな時間に何度もメールしてくるのは女に決まっている。
そう思った瞬間から、部長の顔がビジネスマンからエロ男に見えてくるから不思議だ。
でも、私も実際に仕事中、会議中って男性から何度もエロメールもらったりしているし、有り得ないことじゃないと妄想が膨らむ。

どんなメールのやり取りをしているんだろう?

今日は何時に会えるの?』『まだ会議中』くらいだったらいいけど
今からオナニーしていいですか?』『逝ったら要報告』とか
早く会いたくてアソコが疼いているの』『今日はノーパンで来い』とか…?

それとももっと過激にエロ単語オンパレードだったらどうしよう?(って私には関係ないけどw)
ふむふむ、サラリーマンはこうやって涼しい顔しながらエロメール打ってるのか!(いえ、誤解かもしれないし)
隣りに座っていたので液晶を覗こうと思えばできたかもしれないけど、こういうのは本当のことを知るより妄想の方が楽しい。

でも人物としては親近感が湧いたけど、クライアントとしての評価は微妙。
だって自分は責任者じゃないからって会議中にプライベートなメールしちゃう意識の人なんだな、ってインプットしちゃったもん。


うちに帰って彼に話すとやっぱり私とほぼ似た発想。だけど

そりゃオネエちゃんだなw

でしょーwww!?

キャバクラの営業だよ、きっと!」だって…。

そっか、行き過ぎた妄想してごめんなさいm(_ _)m


でも、部長さぁん! 私は気がついたわよぉ〜ん♪


拳と掌



幼少時のトラウマとかコンプレックスとかの話するのは好きじゃない。
そういうのは、遠の昔に昇華したことだと思っているから。
むしろ、そうした事柄を自分の糧とし、今の自分と幸せを手に入れたと信じている。

だけど先日、思わぬきっかけから、自分の中に残骸を見てしまった。


*  *  *



親しい友人夫婦と彼らの家でご飯を食べていた時、彼は仕事で一足遅れて来ることになっていたので先に三人でお鍋を始めていた。

友人夫婦との付き合いは10年近くになるだろうか。
お互いのことをよく知っているので、兄弟のように遠慮ない付き合いができている。

そしてその夫婦は、うちと対極的に、いつも喧嘩している。
原因は鍋のお作法だったり焼肉の仕切りだったり、他愛ないものだ(けど、食べ物の恨みは恐ろしいw)。
結婚して20年近く経とうというのにお互いの食習慣に歩み寄れない二人。
たいていは口先だけの罵り合い(聞かされる私としてはちょっと不愉快)。
エスカレートすると奥さんがご主人を叩き始める(けっこう不愉快)。
諍いさえなければ楽しくて素敵なカップルなのに。

その日はいつもとちょっと違った。
いつもは奥さんの攻撃をぬらりとかわすご主人が反撃し、手を上げた。
いくら気のおけない友達だからって他人の前でそこまで夫婦喧嘩することないのに…。

やり過ぎて怒らせちゃったことに気がついた奥さんが静かになる。
ご主人は頬を紅潮させながらも、カッとなった自分を落ち着かせようとしている。

私はテーブルのこちらで奥さん以上にフリーズ…。
あぁ…、もう帰りたい…。
だけど手足は動かないし、言葉も出てこない。

幸いに、遅れて来た彼が雰囲気を変えてくれたので、その後は楽しく食事をすることができた。


*  *  *



後日、彼と居酒屋で飲んでた時、その話になった。

「あなたが来る前、大変だったのよ」と、一部始終を話しているうちに、子供のころの記憶が甦って来た。

そうか…、あの時感じた嫌な空気は生家に流れていたものと同じだったんだ。

泣き叫び、瀬戸物を割ったり包丁を振り回す母、父の怒声と振り上げられた拳。
あるいは姉による私への執拗な嫌がらせや暴力。

いろんな記憶が無秩序にフラッシュバックして来る。

小さく非力な私はポケットの中で拳を握り締めたまま、それを振り上げることなく、涙と怒りを抑えることを練習した。

学生になって家から飛び出し(私と同じくらい非力な母を家の中の様々なトラブルと一緒に一人置いて出たことを申し訳なく思っている。だけど、あの時家を出なければ私が壊れていた)、争いや暴力のない静かな暮らしだけを望んで、今は彼と楽しく暮らしている。

彼は職人の家に生まれ、厳しくも誠実なご両親の元、育った人。
私と比べると、はるかに素晴らしい情操教育に恵まれていた。
折りに触れ私の家族の話をすることがあると、「ドラマみたいだね…」って黙っちゃう。
そんな人だからたま〜に私たちが喧嘩したとしても、手を揚げたりすることは決してない。

友人宅での出来事と生家の思い出がごっちゃになりつつ話をしていると、涙が出てきた。

「私は、爪が掌に食い込み血が滲んだとしても、その拳を振り上げることなく、やがて握り締めた拳を開いた時、怒りや悲しみが消え、慈しみと優しさが生まれることを願っている。
また、私に拳を振り上げる人がいたとしても、その人の分も、その拳を静かに降ろせるよう、掌を広げたい。
そういう人間になりたい」

そんなことを彼に語った。

一方で「暴力的な家庭に育った子は、やがて自分も暴力的な人間になる」という恐怖心。
先天的な記憶(DNA)なのか、後天的な記憶(痛み、傷)なのかわからないけど。
暴力的であったり感情的であったり、父の性質、母の性質、どちらも引き継ぎたくない部分、私はずっと理性で拒否してきた。

だけど、突然、怖くなる。
だって娘だもの。
姉だって、両親を上回って感情的で暴力的な上に頭がおかしくなっちゃったし。

怖い。ものすごく怖い。
自分自身が嫌悪し、ああはなるまいと固く心に決めた存在と等しくなるのは耐えられない。
大切な人を傷つけるくらいだったら自分が死んだ方がましだ。

彼は「あむはそうならないよ。大丈夫だよ」と言ってくれる。

うん、そうだね。私は、そうはならない。
だって私には彼がいるんだもの。

母には彼がいなかった。父には私がいなかった。

泣きながら彼にお願いをした。

「もしも私がおかしくなったら、拳を振り上げるようなことがあったら、お願いだから怒らないで、私を抱き締めて。そして『大丈夫だよ』っていって」

彼は私の手を握り締めて「わかったよ」と言ってくれた。

彼のメンタリティの中にはこれっぽっちもない感情だから想像もつかないだろうけど、私を理解し支えてくれようとする。
ありがとう。

そんな彼の最近のささやかな幸せは『お風呂上がりのカルピス』(笑)。


close