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夏の終わり



正確には覚えていないけど、Hさんと初めて会いセックスしたのは一年ほど前の残暑の頃。


セックスの後、

次はいつ会える?

って聞かれたけど、その時はまだ次のことは想定してなかった。

来月くらいかな?

かなりいいかげんな言葉を返した。
まだ気持ちが決まってないってニュアンスでそんな答えをしておきながら、よくよく考えたら、カレンダー上では数日後に来月だという好都合な誤算。

帰りの車でいろいろ話しているうちにHさんといると居心地が良くて、またすぐに会いたくなっちゃった。
そして今に至る。


*  *  *



私は将来の幸せを夢見るより、今日楽しい方がいい、ってずっと思っている。
だって、今日が楽しかったら明日も明後日も、そして10年後も楽しい確率が高くなるもの。
私の毎日は、その実験場だ。



8月2日


学生生活を終える頃まで、本と映画漬けの毎日を送っていた。
社会人になった時、読むべき本は全て読んだし、観るべき映画は全て観た、もう充分だと思った。
もちろん「全て」は私の中の価値観であって世の中の「全て」ではないけど。
自分の世界に没頭することが許される毎日から自立するための生活にシフトすると同時に、書物や映画に割く時間がなくなったのも大きい。

時に現実は、架空の世界に比べて、つまらなく見えるけれども、フィクションではない体験と深い感動も与えてくれる。
喜怒哀楽のそのケーススタディとして学ぶことはできても、襞の奥を理解するには体験するしかない。

気紛れを起こして、かつて耽読した本を読み直してみると、若い頃には気が付かなかった深みや新しい味わいを発見する。
若い頃は間接的に得た知識が実体験を助けてくれたのと反対に、実体験が概念の理解を容易くしてくれるのだろう。
そんなことから多少は歳を重ねるのも悪くないと安堵する。


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